こんにちわ。JPHです。
今回は空力のお話をさせて頂きます。
2002年~2003年頃にかけて、ハイラグジュアリーカー、スーパースポーツカー共に、相次いでハイパワーなモデルが発表されました。
500馬力超という括りで言えば、ベントレーコンチネンタルGT (初代)、フェラーリ・575M、ランボルギーニ・ガヤルド / ムルシエラゴ など。
フェラーリ・Enzo、 ポルシェ・カレラGT等の限定車は、実に600馬力超を誇り、有り余るパワーは高度な電子制御のエンジンマネジメントや、AWDと言った、革新的なシャシーを生み出すきっかけともなりました。
小排気量の車では、1リッターあたりの馬力が100PSを超える車が人気を博しましたが、大排気量の車もいよいよそういう時代に突入したのです。
1980年代になりますが、「フェラーリ・テスタロッサ、5リッター / 390馬力 」 で驚いていたのが、遠い昔のような感じですね、、、。
合わせて、多くのメーカーが、ニュルブルクリンク(=以下、ニュル) のラップタイムを意識した開発を進め、それを高らかに謳うマーケティング戦略が始まったタイミングでもありました。
ホンダ・NSX-R、日産・GT‐R が当時では身近なところですが、ハイパワー化と合わせて、複合素材を用いた軽量化、空力の技術革新も進んでいくことになります。
そして現在。
その後のハイパワー化は600馬力の大台を優に超え、更なる700馬力、800馬力という次元を迎えています。
ターボやハイブリッドなど、エンジンのハイテク化は留まる事を知りませんが、ラップタイムを刻むためには、路面のグリップ、空気抵抗、ブレーキ、熱など、物理的な限界が常に大きな壁となって立ちはだかります。
これを打破するためにはどうすればよいか。 そう、すべてに共通のキーワードは、ズバリ 「空気」です。
ダウンフォースをコントロールしてグリップと加速力を高め、車体全域に対しての冷却に積極的に「空気」 を使う。
目に見えないものをコントロールするので、何やら、東洋医学の 「気」 とも相通じるところがあると言えるかもしれませんが、(笑)
つまりはエアロダイナミクス が増々重要視されているという事ですね。
ランボルギーニで言えば、実際にニュルでのタイムアタックのプロモーションビデオを公開する共に、エアロダイナミクスの技術説明の画像も公開しています。
ウラカン・ペルフォルマンテ から始まった、独自の 「ALA (=エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーバ )」 というシステムは、アヴェンタドール SVJ では更に 「ALA 2.0」 へと進化し、ニュルの量産車最速ラップホルダーのタイトルを再度もたらしています。
直線での加速・減速に加え、旋回中にまるでデフのように左右の空気の流入を個別にコントロールし、ダウンフォースと各部の冷却に利用する点は圧巻ですね。
各所に配されたフラップを制御して、グランドエフェクト効果を自由に操れるのは、F1以上のハイテク化を享受しているという事です。
AWDのトルクベクタリングと合わせ、超高速時でのコーナリング中に、アクセルを踏んで旋回性能を上げるという事をやってのけています。(すげー!)
フェラーリは、「488 Pista 」 シリーズで、彼ら独自のコントロールを極めています。
ランボルギーニは、エアロキットという 「付加物」 を細かくコントロールするのに対して、フェラーリはボディワーク自体に空力対策を施すという違いも興味深いところ。
フェラーリは、元々、スポイラー的なものは極力排除する考え方ですしね。
ラ・フェラーリ では、可変式のリアスポイラーが特徴的ですが、この点はフェラーリとして異色なデバイスという感じでしょうか。
古くは マクラーレン・F1 が、実に1993年の時点で現在のトレンドの礎とも言える、「CFRP(カーボン)シャシー」、「大排気量自然吸気エンジン(=これは今の時勢ではないですが、、。汗)」、そして 「アクティブエアロダイナミクス」 を取り入れていましたが、このシャシーの考え方は今も、そしてこれからも不偏に引き継がれていくのでしょう。
アヴェンタドールSVJ、 488 Pista 共に、日本への導入が楽しみです!
ではでは。